醤油の正しい保存法
開栓前は冷暗所、開栓後は冷蔵庫へ。しょうゆは、長期保存しても腐敗しにくいものですが、時間の経過とともに色が濃くなり、風味もおちてしまいます。そのため、直射日光を避け、できるだけ涼しいところに保存しましょう。また、しょうゆは、空気に触れることで酸化が進み、品質がおちてしまいます。開栓後はきちんと栓をして冷蔵庫で保存し、1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
醤油の塩分

しょうゆの塩分は高くありません。

塩分が高いと思われがちなしょうゆですが、実は、しょうゆに含まれる塩分量はそれほど高くありません。しょうゆ1g(小さじ1/6) に含まれる塩分量は、約0.14gで食塩の1/7程度(食塩1g中の塩分量は約1.0g)。さらに、しょうゆの味や香りが料理をおいしく仕上げてくれるため、同じ調味料でもしょうゆを使ったほうが少ない塩分量でより満足度も得られます。
醤油の種類
濃口しょうゆ
比較的水分が少なく有効成分に富む。

つける、煮る、炊くなどあらゆる用途に適している。

果物の香りに似た香味を持ち、魚や肉の生臭みを打消し風味を良くする。
淡口しょうゆ
淡い色に仕上げるために塩を多めに入れて発酵を抑えているので、塩分はやや高め。仕上げに甘酒を加えることもある。

香りはほのかで、野菜や白身魚など素材の淡白さを生かしたい料理に最適。関西を中心に発達してきた醤油。

再仕込(二度仕込)しょうゆ
仕込みに食塩水を使わず、生醤油を使う。つまり濃口の2倍の材料を使うため、有効成分がさらに豊富。甘露煮などの煮物に使われるほか、刺し身などのつけ醤油として卓上でも愛用される。

山口県を中心に山陰地方で根強い人気がある。

白しょうゆ
愛知県が主産地。うす口より更に色がうすく、高級料理に使われる。やや塩分量は多い。
溜(たまり)しょうゆ
主に中部地方でつくられる、とろみのある旨味の強い醤油です。刺し身や寿司などのつけ醤油に適しているほか、良い照りが出るため焼き物や佃煮にも使われる。
知るほど、なるほど!醤油の効用

和食はもちろん幅広い料理の下ごしらえに、調理に、そして卓上で大活躍のしょうゆ。

その科学を知って、さらにおいしく効果的にしょうゆを使いこなしてみませんか。
消臭効果
刺身にしょうゆをつけるのは、おいしさだけではなく、しょうゆに魚などの生臭みを消す、大きな働きがあるからです。

これはしょうゆの中のアミノ酸の一種、メチオニンが変化したメチオノールという物質に消臭効果があるためなのです。

対比効果
例えば、甘い煮豆の仕上げに少量のしょうゆを加えると、甘味が一層ひきたちます。

おしるこの仕上げに塩をひとつまみ入れるのと同じ効果です。

加熱効果
しょうゆと砂糖やみりんを合わせて加熱すると、アミノ酸と糖分がアミノカルボニル反応をおこし、食欲をそそる香りと、美しい照りが生まれます。

蒲焼き、焼き鳥、照り焼きなどの色と香りがまさにそれです。

抑制効果
漬かりすぎた漬物や塩鮭など、塩辛いものにしょうゆをたらすと、塩辛さが抑えられることがあります。

これはしょうゆの中に含まれる有機酸類などに、塩味を和らげる力があるためです。

静菌(殺菌)効果
しょうゆには、塩分と有機酸が含まれているため、大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果があります。

しょうゆ漬けや佃煮などは、この効果を利用して日持ちを良くしています。

相乗効果
しょうゆの中のグルタミン酸と、かつお節の中のイノシン酸が働き合うと、深い旨味が作り出されます。

このように混ぜ合わせることにより、両方の味がともに非常に強められることを、味の相乗効果と呼びます。そばつゆや天つゆなどが、この良い例です。

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